薬剤の減量・中止・変更を検討する際の思考回路
デュロキセチンをまあまあ高用量で飲んでいる人がAKI(もちろんeGFR<30mL/min未満)になったら、ひとまずデュロキセチンは休薬すべき?離脱症状を懸念して減量?腎の回復見込み次第とも思うけど見通しが立たない場合もあるし。腎障害時にデュロキセチンのt1/2が延長しないのも悩ましい。
— ドラ@竜党 (@dora_ph) February 27, 2024
先日旧Twitterで上記のポストを見て、自分はどういう結論を出すのかではなく、自分はこういう時にどういう視点から考えているのかを言語化してみた。
- デュロキセチンの使用目的は何か?精神疾患で服用しているのか?末梢神経障害で服用しているのか?
- 患者の病状はどうか(重い・軽い)?(特に精神疾患の場合)患者自身が減らす・中止する・他剤へ切り替えることに抵抗はあるか?
- AKI(腎機能低下)の程度はどうか?腎機能の低下は一時的と見込まれるのか?
- デュロキセチンのADRは用量依存的なのか?またどういうADRの危険性が上昇するのか?
- デュロキセチンの効果は用量依存性があるのか?血中濃度と相関するのか?
- 現在の腎機能ではどの程度のデュロキセチンの血中濃度の増加が見込まれるのか?
- 代替薬はあるのか?あるとしたら採用しているか?禁忌等々はないか?(ここではまた別の思考が展開される)
パッと思いつくところを書くと、こんなところ。パッと思いつかないようなことは日常でも考えていないと思うので、これが自分の通常の思考なんだろう。こういった問いを立てて、これらの問いに答えるための情報を収集して、そこから最終的な結論を出す1。
まだ視点が足りないような気もする(例えば倫理的な視点?)ので、もっと精進が必要だと思う一方で、ある程度重みのある処方提案は、他職種のように複数人で検討した後に提案するという流れの方が患者安全的には望ましいとも思うので、自己研鑽もいいけど、そういった検討の場を作ることも重要なのではと思う今日この頃。
もちろんこれはあくまで処方提案の内容であるので、この後自分の結論を提案し、医師との検討に入ることになる。↩︎